アニサキス症を知っていますか？

アニサキス症とは、アニサキスが胃の中に入り込んで胃や腸などの壁に食いつくことで、胃痛や腹痛、吐き気などを引き起こすものです。

近年、メディアでも取り上げられ注目されている病気ですが、今回は症状や検査方法、治療法について解説します。

アニサキスとは

アニサキス症の種類と治療法

アニサキス症には、胃、腸、消化管、アニサキスアレルギーがあります。ここからは、それぞれについて解説します。

胃アニサキス症

胃アニサキス症は、体内に入ったアニサキスが胃の壁に食いついて入り込むことで発症します。アニサキス症の中では最もポピュラーであり、患者さんの多くは胃アニサキス症です。

胃アニサキス症は、新鮮な魚介類を食べて数時間後に激しい痛みを感じたり、吐き気や嘔吐、お腹が張る感じといった症状が現れます。

なお、胃アニサキス症の場合は内視鏡によって除去することが可能です。

腸アニサキス症

アニサキスが腸まで入り込み、腸の粘膜に食いつくことで発症します。魚介類を食べて10時間から数日後に、強い腹痛や吐き気、嘔吐、発熱などの症状が現れることがあり、患者さんによっては腸閉塞や腸管穿孔を起こしてしまうこともあるため、入院による治療が必要になるケースがあります。

抗アレルギー剤や内服薬を使って緩和させます。

消化管外アニサキス症

この病気は、胃や腸と比べるとなかなか見られない疾患です。感染したアニサキスが消化管を突き破って腹腔内に寄生してしまったものです。寄生した部位によって症状は異なります。激しい痛みがありますので、早急に検査を受けて処置を行うことが重要ですので、診断によっては適切な医療機関をご紹介することもあります。

アニサキスアレルギー

アニサキスは内視鏡で除去できる

患者さんの多くが「胃アニサキス症」にかかります。その場合、内視鏡検査（胃カメラ）を使って緊急で除去をすることができます。内視鏡を挿入し、胃粘膜に噛み付いたアニサキスを探し、その場で除去します。また、腸アニサキスの頻度はあまりありませんが、症状によっては腹部エコーや大腸カメラによって摘出します。

ただし、胃の内視鏡検査によって摘出する場合、食後6〜8時間程度が経過していないとアニサキスが発見できないため、除去することができません。

アニサキス症の予防方法

アニサキス症を予防するためには、魚をしっかりと加熱することもしくは冷凍することが必要です。具体的には、70度以上の加熱もしくは60度以上で1分間以上加熱するとアニサキスが死滅します。また、冷凍する場合にはマイナス20度以下で24時間以上保存すると死滅します。そのため、冷凍したものを解凍したお刺身は安全です。

当院では、アニサキス症が疑われる場合に対しての対応が可能です。事前にご連絡いただいた上でお越し下さい。

久留米市のかかりつけ医｜外科・消化器外科ひろつおなかクリニック