手術を行った患部が、再度鼠蹊ヘルニアになってしまう状態を「再発性鼠蹊ヘルニア」と言います。なぜ、手術まで行ったのに再発してしまうのかを理解しておくことで、リスクを減らすこともできるようになります。当院医師は、鼠蹊ヘルニア手術に関する経験と知見を持っていますが、それでもゼロにすることは難しいのが現状です。
今回は、再発性鼠蹊ヘルニアについてのお話です。
なぜ鼠蹊ヘルニアは再発するのか
鼠蹊ヘルニアは、メッシュを使った手術をした場合には再発率が2〜3%以下と言われており、ゼロではないという現状があります。
主な原因は、手術の方法や手順にあるようですが、どれだけ技術のある医師が手術を行ったとしてもゼロになるわけではありません。また、不可抗力によって再発が起こるケースもあります。また、立ち仕事や力仕事を継続したことや、激しい運動、喫煙などの後天的な要因が継続的に重なったことで再発してしまうこともあります。
なお、手術に使ったメッシュが縮むことによって再発することもあり、近年では縮みにくいメッシュを使用しているので再発率が2〜3%以下になっていますが、それまではメッシュが30%以上縮むケースもあり、再発率は高かったのです。
再発後に起こるリスク
鼠蹊ヘルニアの手術は、皮膚をほんの少し切開します。そのため、傷を塞いだ後に皮膚の下で出血が起こってしまい、その血液が固まる「血腫」ができることがあります。
皮下出血と血腫
手術翌日に、皮下出血が起こることがあります。皮膚が暗い赤みを帯びた状態で、血腫になってもほとんどの場合は自然に吸収されてなくなっていきます。稀に大きく腫れたり痛みが起こることもありますので、止血処置を行うことになります。
漿液腫(しょうえきしゅ)
漿液腫は、リンパ液である漿液が溜まって膨らんでいる状態です。ほとんどの場合は自然に吸収されてなくなりますが、とても大きな場合にはハリで穴を開けて吸引することもあります。
再発を予防するためにできること
まずは、自分が「鼠蹊ヘルニアになりやすい」という意識を持っておくことです。なかなか簡単に仕事を変えることはできないと思いますので、後天的な要因を避けるように心がけるようにしましょう。
再発した時の症状は、柔らかく押せば戻るようなしこり・出っ張りが同じような場所にあるかどうかです。また、しこり・出っ張りはなくても痛みだけがある場合も再発の可能性があります。なお、再発でも嵌頓(カントン)になってしまうケースもあるため、少しでも違和感がある場合には急いで受診するようにしましょう。
ちなみに、嵌頓とは鼠蹊部で脱出した腸が元に戻らなくなってしまうことです。
このほか、手術をしていない側に鼠蹊ヘルニアが出た場合には再発とは言いませんが、鼠蹊ヘルニアになった方の10%以上がヘルニアになっていなかったもう一方側もヘルニアになると言われていますので、そういったところの注意も必要です。
なお、再発したヘルニアの手術の難易度はかなり高くなってしまうため、できるだけ再発がないように日々の生活で気をつけられるところは気をつけていただければと思います。
当院の鼠蹊ヘルニア手術について
当院医師は、鼠蹊ヘルニアの専門医として様々なケースを経験してきました。
再発性鼠蹊ヘルニアにも対応した経験もございますので、少しでも気になる方は早めに受診していただき、早期治療を心がけましょう。
鼠蹊ヘルニアの再発率はゼロではありません。一度鼠蹊ヘルニアになった方は、「再発してしまうかもしれない」ということは忘れないようにしてください。
久留米市のかかりつけ医|外科・消化器外科ひろつおなかクリニック
またそけいヘルニアや痔、下肢静脈瘤などの日帰り(短期入院手術)も可能。お仕事が忙しい方や手術をしたことを知られたくない人、入院治療が難しい方も、安心して治療できる環境を整えております。
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