鼠径(そけい)ヘルニア(脱腸)とは?

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国内での年間患者数は、「もうちょう(虫垂炎)」の約6万人に比べ、そけいヘルニア(脱腸)は約15万件と決して珍しくない病気です。
そけい(鼠径)・・・太もももしくは、足のつけねの部分のことをいいます。
ヘルニア・・・体の組織が正しい位置からはみ出した状態をいいます。
そけいヘルニア(鼠径ヘルニア)とは、本来ならお腹の中にあるはずの腹膜や腸の一部が、多くの場合、鼠径部の筋膜の間から皮膚の下に出てくる下腹部の病気です。
一般の方には「脱腸(だっちょう)」と呼ばれている良性の病気です。
立った時とか、お腹に力を入れた時に、鼠径部がふくらんでくる事で気付き、ときに痛みや違和感を伴います。腸が脱出したときに腸閉塞を起こすことがあります。
“恥ずかしい”と受診を控えてある方がいまだに多いようです。ヘルニアは自然には治りませんが、確実に治る病気ですのでご遠慮なくご相談ください。

 

そけいヘルニアになりやすい人

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  1. 重いものを運んだりする機会が多い人、立ち仕事に従事する人
  2. 中高年齢層(特に40歳以上の男性)、身内にそけいヘルニアの方がいる
  3. 便秘症、肥満気味な人、ぜんそくの人
  4. せきを多くする人(喫煙者)、激しい運動をする人

 

そけいヘルニア(脱腸)の種類と症状

そけいヘルニア(脱腸)には3つの種類があります

  • 外そけいヘルニア…そけい靭帯の上で、外側から出てくるヘルニア。そけいヘルニアでは一番多い。
  • 内そけいヘルニア…そけい靭帯の上で、内側から出てくるヘルニア。
  • 大腿ヘルニア…そけい靭帯の下から出てくるヘルニア。出産を経験した女性に多く見られます。

股のつけ根が痛い、つっぱる感じがする、ちょっと膨らんでいる気がする…
そんな症状がある場合は早めに受診しましょう。
術前には不安がないように病状、手術に関して詳しくご説明しますので安心して治療を受けてください。

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当院ではメッシュプラグ法による手術を行っています

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当院では、メッシュプラグ法という、現在最も多く用いられている方法を中心に、患者様に合わせた最適な方法で手術を行います。
メッシュプラグ法とは、出てきているヘルニアをお腹の中に戻し、ヘルニアの原因となっている弱くなっている部分を傘状のプラグ(栓)を用いて小腸が出てくる筋膜の弱い部分を補強し、ヘルニアの再発を防止する手術です。
現在、様々なメッシュの種類、方法が開発され、より安全で痛みが少ない手術が行えるようになりました。また、確実な補強が可能となったため、再発率も以前に比べ格段に低くなっています。
手術時間が短く、術後のつっぱり感や痛みもほとんどありません。早く日常生活に復帰できます。
また、腹腔鏡手術も行っており、これは5mmのカメラをへその部分から挿入しお腹の中を観察しながら手術を行います。
メリットとして、傷が小さい、両側のヘルニアでも同じ傷で治療ができる、再発例などの困難症例でも確実な治療が可能なことなのです。

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状況にあわせたメッシュを用いています

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手術に使用するポリプロピレン製のメッシュは50年ほど前から使用され、
メッシュプラグは世界で400万件以上の臨床使用の実績があり、体内使用の安全性は確立されています。

 

時間と費用について

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手術時間は40分程度です。
全身麻酔(予測脳内薬剤濃度をコンピュータ制御するTCIシステムによる静脈麻酔)で眠っていただき、局所麻酔を追加して手術を行いますので手術中は痛みはなく、目が覚めた時には手術が終わっています。
手術室からご自身で歩いて病室まで戻れます。
この麻酔方法だと、麻酔の醒めが早いため、術後1~2時間で帰宅できます。
傷は糸で縫わずに皮膚用の接着剤で接着しますので翌日から入浴が可能です。付け替えも不要です。1週間後に診察に来ていただきます。

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手術費用は、健康保険3割負担の患者様で、
日帰り手術の場合、約5万円(両側:約7万円)です。

腹腔鏡手術の場合は、高額医療制度の対象となりますので詳しくはお問い合わせください。

※御希望の方は入院治療も可能です。

※バイアスピリン、ワーファリン、プラビックスなど、
血液をサラサラにする薬を内服中の方も
基本的に中止せずに手術可能です。

※認知症などで入院が難しい方も日帰りで治療が可能です。