コラム
胃がんの主な原因はピロリ菌?
定期的な内視鏡検査で早期発見・早期治療を
胃がんの原因とは?
大腸がんに次いで、日本人が多くかかるがんといえば胃がんです。男性の9人に1人、女性の19人に1人が胃がんにかかるという統計があります。
実は、この胃がんの原因の99%がピロリ菌によるもの。ピロリ菌は胃がんのほか、慢性胃炎や胃潰瘍、十二指腸潰瘍などさまざまな胃の病気の原因となります。胃の健康を維持するためには、ピロリ菌の検査と除菌治療を行うことをお勧めします。
ピロリ菌とは?
ピロリ菌の正式名は「ヘリコバクター・ピロリ」。胃の粘膜に生息するらせん形の細菌です。ピロリ菌は、免疫力がついた成人の場合、ほとんど感染しません。多くは幼少期に感染したもの。今の日本では、若い世代ほどピロリ菌に感染した人は少ないのですが、これは衛生環境が整ってきたことが影響しています。
現代の日本でピロリ菌に感染する場合、主に小児の頃に親から感染することが多いといわれているのです。そのため、子どもの健康を守るためにも、親のピロリ菌検査とピロリ菌除去を行うことが大切になってきます。
ピロリ菌に感染すると、急性胃粘膜病変を起こすことがありますが、多くは一過性感染で終わるといわれています。そのため、成人の場合、ピロリ菌に感染しているかどうか一度検査するだけで、胃がんのリスクが分かるのです。胃の不快感が長く続いている、薬を飲んでも一時的にしか回復しない、家族にピロリ菌の感染者がいるという方は、ピロリ菌に感染している可能性が。検査を受け、ピロリ菌に感染している場合は、除菌治療を行いましょう。
まずはABC健診。ピロリ菌陽性なら胃内視鏡検査を
ABC健診とは、胃がんリスク検査のこと。ピロリ菌の抗体価検査と胃粘膜萎縮(老化)度合いを調べて、胃がんリスクをABCの3群に分類します。ABC健診では、胃カメラやバリウム検査の必要がなく、採血のみで結果が出せるので、身体への負担が少ないのがメリットです。ABC検査はほとんどの方の場合、生涯で1回受けるだけで大丈夫。A群と診断された場合は、将来胃がんになる可能性は極めて低いといえます。
ただしこれは胃がんの有無が分かる検査ではありません。ABC検査でピロリ菌が陽性となった場合は、胃内視鏡検査を受診しましょう。胃内視鏡検査により、ピロリ菌が原因と思われる胃炎や潰瘍などが見つかった場合は、保険診療でピロリ菌の除去ができます。
ピロリ菌除後も定期的な内視鏡検査を
ピロリ菌に感染した場合は、除菌薬を内服して除菌します。ただし、ピロリ菌の除菌治療を行っても胃がんのリスクがゼロになるとはいえません。除菌後も、胃がん発生の原因となる胃粘膜の萎縮(老化)は残るといわれており、ピロリ菌を除去したからこそ定期的な胃内視鏡検査が重要なのです。また、ピロリ菌未感染者の場合も、食道がんや胃がんチェックのため、3年に1度は内視鏡検査を行うことをおすすめします。
ひろつおなかクリニックでは、鼻を経て挿入する経鼻内視鏡検査を採用しています。口からの挿入よりも苦痛が少なく、嘔吐反射が起きにくいので、楽に検査を受けていただけます。また完全に眠った状態での検査も可能。早期発見・早期治療のためにも、定期的な検診を受けるようにしましょう。
久留米市のかかりつけ医|外科・消化器外科ひろつおなかクリニック
久留米市のかかりつけ医「ひろつおなかクリニック」は、風邪をはじめとした日常疾患から、生活習慣病の管理、けが・火傷まで、幅広く診察を行っています。
またそけいヘルニアや痔、下肢静脈瘤などの日帰り(短期入院手術)も可能。お仕事が忙しい方や手術をしたことを知られたくない人、入院治療が難しい方も、安心して治療できる環境を整えております。
病院を受診するかどうか迷うようなささいな症状や気になることがあったとき、気軽にクリニックへお越しいただければうれしいです。
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