下肢静脈瘤には、「隠れ下肢静脈瘤」になる人がいます。いわゆる下肢静脈瘤の予備軍であり、早い段階で予防できるようになることが重要です。今回は、下肢静脈瘤になる人や「隠れ下肢静脈瘤」の可能性がある人について解説します。

隠れ下肢静脈瘤とは？

下肢静脈瘤になりやすい人

下肢静脈瘤は、実は男性よりも女性の方がなりやすいと言われています。女性はふくらはぎのポンプ作用が弱いこと、筋肉量が少ないこと、妊娠や出産によるホルモンの変化などが大きく影響しているのです。また、同じ姿勢で仕事を続ける人や運動習慣がない人も下肢静脈瘤になりやすいと言われています。

下肢静脈瘤になりやすい人は以下の通りです。

①立ち仕事

立ち仕事は、ふくらはぎの筋肉が静脈を絞り上げ、血流をサポートする機能が働きにくくなるため、下肢静脈瘤になりやすいと言われています。また、デスクワークなど長時間同じ姿勢で仕事をする方も、足の血管に負担がかかるようになることから下肢静脈瘤になるリスクがあります。

②妊娠・出産

妊娠・出産を経験した二人に一人が、静脈瘤になると言われています。その理由は次のとおりです。

• 黄体ホルモンの影響

女性は妊娠すると黄体ホルモンが増加します。このことにより、血管が圧力に対して弱くなっているために静脈弁が機能しにくくなってしまいます。

• 子宮による圧迫

妊娠して胎児が育ってくると、子宮が大きくなることで静脈が圧迫され始めます。そのことから、足の血管や静脈弁に圧力がかかるのですが、妊娠時にパンパンに膨れた静脈は出産後に戻ります。ただし、静脈がゴムのように伸び切ってしまった場合には元に戻らなくなってしまうことから、下肢静脈瘤ができやすくなるのです。

また、二人目以降も妊娠すると下肢静脈瘤のリスクは高まると言われています。

• 血液量が増える

妊娠中は赤ちゃんを育てるために血液量が40〜50%増えます。静脈はパンパンに膨れて圧力が高まり、重力の影響を受けやすい足の静脈では血液滞留が起こりやすくなると言われています。

③遺伝

下肢静脈瘤は、医学的には明らかにされていませんが両親が下肢静脈瘤の場合、子どもも下肢静脈瘤になる可能性が9割ほどあるというケースがあります。

④加齢

静脈は、加齢とともにもろくなっていきます。そのため、血圧の圧力が弱くなってしまい静脈瘤ができやすくなると言われています。

⑤性別

前述したとおり、男性よりも女性の方が下肢静脈瘤になりやすいと言われています。

⑥肥満

肥満は、下肢静脈瘤を悪化させる危険因子と言われています。特に、運動不足が大きな原因と言われているため、全身の血液の循環を改善させたり生活改善を行うことでリスクを下げることができるようになります。

対策は早めに立てる

久留米市のかかりつけ医｜外科・消化器外科ひろつおなかクリニック