内視鏡検査
血便、腹痛、貧血…こんな症状が続く方は大腸がんの可能性も?!
完全に眠った状態での検査も可能です。
増加し続ける大腸がん死亡者数
大腸がんにかかる方は、増加傾向にあり、がんによる死亡数では、胃がんを抜いて第2位となっています(*1)。
がんで亡くなった人の死亡率を見てみると、大腸がんは男女ともに年々高くなっており、男性は11人に1人ほど、女性は13人に1人ほどが、一生のうちに大腸がんと診断されるというデータも。
なかでも女性のがんによる死亡数の第1位が大腸がん(*1)になっています。
*1: 出典:人口動態統計2018年(厚生労働省大臣官房統計情報部編)
こんな症状が長引くようなら即検査を
排便に関する症状 | 血便、便が細くなる、残便感、下痢と便秘を繰り返す |
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お腹に関する症状 | 腹痛腹鳴、腹部膨満感、痛みを伴うしこり |
その他 | 吐き気・嘔吐、貧血ぎみ |
大腸内視鏡検査の流れ
大腸がんの検査を受ける際には、自覚症状の有無から始まり、いくつかの流れがあります。
簡単な検査を経て、異常が見つかれば治療が施されます。
大腸内視鏡検査の受け方
はじめに | 検査日を決定します。 |
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検査前日 | 検査前日は消化の良いものを食べてください。 夕食後に下剤を飲んでいただきます(便秘が強い方は検査食を食べていただきます)。 |
検査当日 | 1. 検査当日の朝、ご自宅で腸内洗浄剤(液体もしくは錠剤タイプ)を飲んで、腸内を空にしていただきます。 |
2. 検査予定時間までに来院して下さい。 | |
3. 検査着に着替え、ベッドに横になって頂きます。 緊張を和らげる薬と腸の働きを抑える薬を注射します。 | |
4. 検査を開始します。 検査中に腸内を観察しやすくするために横向きから仰向けになっていただく事があります。 検査時間は15分~20分です。 | |
5. ポリープが見つかった場合は、その場で切除する事ができます。 ポリープを切除した場合は1週間程度、飲酒・旅行・運動を控えていただきます(ポリープが大きい場合、数が多い場合等は、1~2泊の入院が必要になることもあります)。 | |
6. 検査終了後30分ほど休んだら、帰宅いただけます。 |
- ご希望の方は、完全に眠った状態での検査も可能なのでご相談ください
- 下剤の飲み方に不安がある方は、来院していただいてからスタッフが説明しますのでご安心ください
- 検査にて治療が必要な場合の入院も可能ですのでご相談ください(当院で対処できない場合は連携病院へ紹介させていただきます)
大腸内視鏡検査の費用
3割負担の目安です。
初診・再診料は含まれません。
内視鏡検査費用 | 胃内視鏡 | 4,000円程度 |
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全大腸内視鏡検査 ※組織検査をおこなった場合は4000円程度プラスになります。 | 6,000円程度 | |
内視鏡治療費用 | 大腸ポリープ切除(外来) | 23,000円程度 |
大腸ポリープ切除(1泊2日) | 30,000円程度 | |
大腸ポリープ切除(2泊3日) | 35,000円程度 |
胃内視鏡(経鼻内視鏡)
胃の壁の内側をおおう粘膜の細胞が何らかの原因でがん細胞となることで発症する胃がんは、早期であれば治すことができるようになってきました。
胃(みぞおち)の痛み・不快感・違和感、胸やけ、吐き気、食欲不振などの症状がありますが、早い段階で自覚症状がほとんどありません。
中には、かなり進行しても症状がない場合もあり、見つかった時には難しい治療が必要となる場合も……。
内視鏡検査であれば、早期のがんを発見できます。
特に50歳以上の方は、男女関係なく定期的な検診をおすすめします。
経鼻内視鏡の特徴
通常の内視鏡は口から挿入しますが、経鼻内視鏡は、その名の通り「鼻」を経て挿入する内視鏡です。
経鼻内視鏡には、以下のような特徴があります。
- 苦痛が少ない(直径5.9ミリの細さです)
- 検査中に医師と話せる
- 嘔吐反射が起きにくい
- 麻酔事故のリスクが少ない
- 検査後30〜60分で飲食や車の運転ができる
通常の内視鏡との最も大きな違いは、楽に検査を受けていただける事です。
鼻からのカメラに不安がある方は、もちろん通常どおり口からのカメラも可能。
ご希望の方は、完全に眠った状態での検査も可能ですので御相談ください。
最新の画像処理技術(FICE)について
近年、内視鏡検査では、病変部のさらなる早期発見と診断精度の向上を図るため、分光画像を用いた観察や診断への期待が高まっています。
FICEは最新の画像処理技術です。
この技術は大腸内視鏡、胃内視鏡の両方に使用しています。
FICEによる画像は、それぞれ通常画像に比べ、腫瘍部分が濃く強調されています。
大腸の腫瘍の例
噴門部(胃の入り口)の腫瘍の例
消化器疾患と治療法
逆流性食道炎
食後や夜間の「胸焼け・げっぷ」に悩まされる人の数が、食生活の欧米化などとともに増えています。
胃の中の胃酸が食道に逆流することがひとつの原因です。
食道には胃のような粘膜防御機能がないため、食道の下端がくりかえし胃酸にさらされると食道粘膜が次第にただれてしまい、「逆流性食道炎」という病気になります。
炎症が続くと、食道の粘膜が変化した「バレット食道」という状態になり、そこからガンが発生することがあるので注意が必要です。
治療法
- 胃酸の分泌を抑える薬、消化管の運動機能の改善薬
- 食生活・生活習慣の改善
- 内服薬の継続、定期検査
胃・十二指腸潰瘍
通常、胃粘膜の表面は粘液でおおわれ、防御機能が働き、粘膜を保護します。
暴飲暴食、たばこ、消炎鎮痛薬、ストレスなど何らかの原因で防御機能が弱まると、胃粘膜が胃液に攻撃され潰瘍が生じます。
最近では、ピロリ菌が潰瘍の原因の一つといわれています。
潰瘍は再発しやすく、合併症(出血、穿孔、狭窄)が発生する危険性があります。
治療法
- 胃酸の分泌を抑える薬、消化管の運動機能の改善薬
- ピロリ菌陽性の方は除菌療法
- 食生活・生活習慣の改善
- 内服薬の継続、定期検査
過敏性腸症候群(IBS)
ストレスなどが原因で、慢性的に下痢や便秘、腹痛をくり返す疾患のことです。
ストレスの多い現代社会に急増している病気のひとつであり、いつ誰がかかっても決して不思議ではありません。
日本人の5~10人に1人が「IBS」に当てはまると推定されるほど、誰もがなり得る疾患です。
また、10~30代の若い年代に比較的多くみられる傾向があります。
治療法
- 食事療法
- 運動療法
- 薬物療法
炎症性腸疾患(潰瘍性大腸炎・クローン病など)
腸粘膜が炎症を起こし、下痢や血便、腹痛、発熱などの症状が出ます。
原因不明で若い人に多く、なかなか改善せずに手術が必要になることもあります。